ようこそ全書芸一般部(漢字)~編入や休会、復帰の手続き
土屋彩明
(新潟県見附市)
いよいよ年度末が近付いてきましたね。
他のお稽古事もそうだと思いますが、書道教室も年度変わりのタイミングで入会や休会、退会をされる方が多く、慌ただしい時期を迎えます。
この機会に、全書芸のシステムではこれらの手続きがどんな風になっているのか、ザックリとおさらいをしてみましょう。
ここではよくあるパターンとして、
- 中学卒業のタイミングで一般部に編入したい
- 中学卒業のタイミングで退会したい
- 他の書道会から全書芸に編入したい
- 全書芸から他の書道会に編入したい
- 全書芸一般部の休会、退会手続きをしたい
- 休会、退会していたけれど会員に復帰したい
この6つを取り上げてみますね。
まずどのパターンでも、一番にして頂きたいのが「所属している支部の先生に、○○したいと早めにご相談する」ということです。
急な転勤などの場合は仕方がないですが、進学など前から予定が分かっている場合は、早めに支部の先生にご相談頂くと先生も予定が立てやすく、「それならこういう方法もありますよ」とアドバイスを頂けたりもします。
誰にとっても良い形で方向転換するために、可能なら早めに話し合いを始めたいですね。
その後の全書芸との手続きについても、基本的に支部に所属している方は支部の先生の指示に従うことになります。
以下に書くことと齟齬が出る(まずこの記事は2024年1月現在の話なので、その後システムが変更になる可能性もあります)場合もあるかもしれませんが、その時は支部の先生のご指示に従って下さい。
では、それぞれの手続きについて、具体的なルールを見てみましょう。
1、中学卒業のタイミングで一般部に編入したい
このパターンの方には
- 「中学卒業生用登録用紙」という専用の用紙がある
- この用紙を使って編入手続きをすると、一般部の登録料(通常700円)が無料になる
- 中学まで全書芸学生版で学んでいた人は、一般部で新規ではなく少し上の級に編入できる
- このパターンの人は、3月号の月例課題は学生版(中学3年生の課題)と一般版の課題、両方に出品できる
この辺りにぜひご注目頂きたいです。
まず「中学卒業生用登録用紙」は、全書芸誌の学生版に付いています。
ちょうど今最新の2月号にもありますね。
この左側のページがそうです。
右側のページやその一つ前のページの説明をよく読んで記入して下さい。
この右側のページにも書いてある通り、一般部に移った際の段級は新規ではなく、中学時の段級に応じて少し上の級に編入できるようになっています。
この編入の段級は「毛筆」「かな」「ペン字」でそれぞれ別なので気をつけましょう。
また、この用紙には受付締め切り(2024年版は5月31日必着)があります。
この締め切りを過ぎると登録料がかかるので、編入を考えている方は早めの手続きをお勧めします。
また、このパターンで中学部から一般部に編入する方は「3月号の月例のみ、中学3年生課題と一般版の課題の両方に出品できる」ことになっています。
学生版3月号には、このパターンの方のために特別に「一般版の漢字、かな、ペン字のお手本」が掲載されるので、中学部の課題と併せてぜひチャレンジしてみて下さい。
2、中学卒業のタイミングで退会したい
進学すると生活も変わりますから、このパターンの方も多いですね。
支部の先生に申し出れば、退会の手続きは先生の方からして下さることが多いかと思います。
このパターンの方に一つ覚えておいて頂きたいのは、
- 退会しても、取得した段級は無くならない
ということです。
この先の人生で「履歴書」を書くことがあったら、資格のところに書道について書いて良いのです。
退会済みでもこれは変わりません。
英検や漢検と同じで、書道も取得した段級はずっとあなたの物ですから、必要な時にはぜひ思い出してあげて下さい。
履歴書に書く際は
「書道 毛筆○段(全日本書芸文化院 中学部)」
「書道 ペン字○級(全日本書芸文化院 中学ペン字部)」
などと書くと一番丁寧ですが、スペースがない時は団体名を「全書芸」としたり上手に短く収めましょう。
また、書き初めやコンクールでの受賞歴も、やはり退会しても履歴書に書けます。
ただ、時間が経つと最終段級や受賞歴などは分からなくなることも多いので、退会のタイミングでこの辺りの情報を一度まとめてみるのもお勧めです。
自分の名前の載っている全書芸誌の表紙と段級ページ、認定証、賞状などをまとめてスマホで写真に撮っておくと、後で見返す時(おそらく3年後、次の進路を決める時)に便利かと思います。
3、他の書道会から全書芸一般部に編入したい
他の会から全書芸に編入する場合は、編入審査を受けられます。
この審査は一般部は有料(2024年1月現在は1,000円)で、
- 以前の会の課題、もしくは全書芸の課題(段位の方は条幅、級位の方は半紙)を書いて、以前の会での段級を書き、現在までの書歴を半紙大の別紙に明記して、返信用封筒を添えて送る
というスタイルです。
全書芸の一般部の段級は
師範・準師範・三段・二段・初段・準初段・1級~10級、新規
という構成なので、編入審査を受けるとこのどこかに編入になります。
編入審査(2週間ほどかかるそうです)とは別にバーコードシール登録が必要で、この両方が済むと月例出品が可能になります。
詳しい説明は全書芸のサイトにもあり、時々全書芸誌にも掲載されています。
4、全書芸から他の書道会に編入したい
まず現在所属している支部がある場合は、支部の先生にご相談下さい。
全書芸の方の退会や休会の手続きが必要な場合は、支部の先生のご指示があると思います。
その後、新しい会の編入の手続き(これは会によってやり方は色々です。ご参考までに3も読んでみて下さい)をするとスムーズですね。
ちなみに全書芸を離れても、段級は消えてなくなる訳ではありません。
何年後かに「また全書芸に戻ろうかな」となったら、復帰の手続きをすれば元の段級から再スタートすることも可能です。
その際は以前に使っていた会員のバーコードシールがあると手続きがスムーズなので、退会を選んでも念のためこのシールは保管しておくことをお勧めします。
また、全書芸の「全国書道コンクール」「全書芸展」「全国書初大会」の3つは公募部門があるので、会員でなくても出品することができます。
自信作ができたらこちらもぜひご検討下さい。
5、全書芸一般部の休会、退会手続きをしたい
これも、まず現在所属している支部がある場合は支部の先生にご相談下さい。
4にも書きましたが、休会や退会を選んでも段級は消えてなくなる訳ではありません。
何年後かに事情や気が変わったりして「また戻ろうかな」となる話は時々聞きますので、その時のために会員のバーコードシールは保管しておくと良いと思います。
また、これも4に書きましたが全書芸の「全国書道コンクール」「全書芸展」「全国書初大会」の3つは公募部門があり、会員でなくても出品することができます。
出品はしなくてもどれも展示は入場無料なので、懐かしくなったらぜひ遊びにいらして下さい。
6、休会、退会していたけれど会員に復帰したい
まず元々所属していた支部がある場合は、支部の先生にご相談に行くと良いと思います。
この時に会員のバーコードシールがあると手続きがスムーズなので、保管している場合はぜひお持ち下さい。
復帰後は新規からではなく、元の段級からのスタートになります。
引越しや教室が無くなってしまったなど先生と連絡が取れない場合は、全書芸のサイトに教室一覧(ここに載っていない教室もたくさんあります)があるほか、お問い合わせフォームから問い合わせてお近くの教室を紹介してもらうことも可能です。
また個人会員として学ぶこともできるので、ご希望の場合はその辺りもお問い合わせフォームからご相談頂くと良いかと思います。
大体こんなところでしょうか。
基本的に「支部に所属している方は支部の先生に早めに相談」が一番良いので、まずはそこから始めるようにしましょう。