子どもに教えるコツ~ひらがなの元の字~

土屋彩明
(新潟県見附市)

小学校3・4年生くらいの子に「ひらがなは漢字からできたんだよ」と言うと、大抵とても不思議がられます。

普段学校では「漢字とひらがな」ははっきり区別されているので「元は一緒」と言われると訳が分からないのでしょうね。

書道でも「漢字書道」「かな書道」は別物ですが、子どものお習字では漢字書道寄りの書き方でひらがなも書きます。
この時「元の漢字」が分かっていると書きやすい、子どもに説明しやすいひらがながいくつかあるので、ちょっとご紹介しますね。

ひらがなの元の字画像1

「う」は「宇」からできた文字なので、2画目は赤い点線の辺りはほぼ縦棒。背中がまっすぐに見えると良い。

下のように背中が丸くなると間違い。

ひらがなの元の字画像2

「け」は「計」からできた文字なので、3画目は赤い点線の辺りはほぼ縦棒。
1画目より3画目の方が上から始まり、下まで長くのばす。

ひらがなの元の字画像3

「す」は「寸」からできた文字なので、くるっと回る時、始めの縦棒の左側を通る。
下のように「の」の形になると間違い。

ひらがなの元の字画像4

「の」は「乃」からできた文字なので、中心線より右側の、赤い点線の辺りが一番高くなるように書く。

かなやペン字では下のような「右肩下がり」の「の」も書きますが、楷書の漢字とはあまり調和しないので、小学生の手本はほとんどが上の形。

ひらがなの元の字画像5

「ひ」は「比」からできた文字なので、書き始めの部分は横棒、書き終わりの部分は縦棒と思って書く。


ひらがなの元の字画像6

「ゆ」は「由」からできた文字なので、1画目の縦棒部分と回る部分の上下をそろえる。


この辺りのひらがなは、元の漢字から説明すると子どもにも分かりやすく、面白いようです。

逆に「之」という字から「し」ができた話や、「部」から「へ」ができた話などは分かりにくいので、子どもに言わない方が混乱が少なくて良いかもしれません。