子どもに教えるコツ~「あ」の書き方
土屋彩明
(新潟県見附市)
小さな子が上手に書くのが難しい字の一つに、ひらがなの「あ」があります。
習い始めたばかりの子だと、こんな風に書く子がいませんか?
2つある窓(私はこういう「字の中の、線で囲まれた空白」を「窓」と呼びます)のうち、2つめの真ん中の部分が潰れてしまうんですね。
ではこんな時、どう声をかけると上手に書けるようになるのでしょう?
「2つめの窓があくように書こうね」と言うのは簡単ですが、もう少し具体的なアドバイスをしてあげたいところです。
私だったらこんな時、
「まず、2画目の縦棒を丸くしてみましょう」と言います。
そして次に
「2画目と3画目を、なるべく下でぶつけましょう」と言います。
そうすると、こんな風になります。
この2つを守ると、こんな風に2画目と3画目の間の空間がぐっと広くなるのです。
あとは普通にぐるっと回る部分を書けば、ちゃんと「窓が2つ」の「あ」が書けます。
考えてみれば図形的には「交差点を下げれば上の空間が広くなる」のは当たり前で、そうすれば窓が広くあくのも当たり前ですね。
大人でも、草書を書いていて「どうにも窓が潰れる」時は、同じ方法で解決する事があります。
また同じように、ひらがなの「め」「ぬ」も「縦棒を丸くして、なるべく下でぶつける」と言うと分かりやすいようです。
ただこの2つは2画目の書き始める位置も子どもが間違いやすいポイントなので、こちらも注意が必要です。
お手本にもよりますが、大体どちらの字も2画目は「中心線の上の方から書き始める」と教えると失敗が減ります。