はじめの一歩
この度、9月1日~6日まで、銀座鳩居堂画廊にて、はじめての個展を致します。
「ブログに、書道をすることになった経緯(いきさつ)を書いて欲しい」というお話をいただきました。私の個展を応援して下さってのことと思いましたので、「何か書かせて頂きます」とご返事しました。
「結婚したら、もれなく書道が付いてきました!」と、冗談半分に以前はよくお話しておりましたが、私がたまたま結婚した人(一応恋愛結婚)は、おばあさまが原田春琴、お母様が原田清琴、おば様が満田真琴、牧尚菀、おじ様が原田雅郎、つまり書道の一族でした。
書道の奥深さなど微塵も知らなかった私は、ごく軽~い気持ちで言ってしまったのです。 「わたしも書道習いたいな!」と。まさに「飛んで火にいる夏の虫」とはこのことです!
いつも忙しく息子に寂しい思いをさせたと思っている、心優しい清琴先生は、これから、奥さんにも顧みられなくなるであろう息子の未来を憂いて、「いいの?だんだん本気になってきちゃったけどいいの?」と、私に内緒で聞いたそうです。
その時、主人が「うん」と答えたので、いろいろありましたが、今ここに私がいます。
人生は、自分で選んで、切り開いてきたつもりでも、実は、周りのすべての人たちのおかげと身にしみます。今も、春光会の先輩先生方に支えていただき、本部の皆さん、お弟子さんたちと一緒に泣き笑いする毎日に感謝です。
今年の3月末。個展開催10日前に延期を決めました。それから、関係各所に連絡。「9月に延期」のハガキを印刷。数日後にハガキを発送するまで、とても不思議な感覚の中にいました。緊張からか、落胆からか、静寂ですらありました。
ただ、延期のおかげで、ちっぽけな自分と向き合う時間をいただきました。こんな自分が展覧会を出来る幸せも再認識しました。展覧会をする怖さも倍増しました。
この度、個展が無事開催されましたら、4月からの宿題が一つ終わるように思います。そして、もっと大きな宿題がでてくることでしょう。これが、書作人生の「はじめの一歩」と思います。
感謝を忘れず、驕ることなく、地に足をつけて、周りに翻弄されずに、歩んでいきたいと思います。
主な作品
原田弘琴かな書展
- 2020年9月1日 〜 9月6日
11:00~19:00(最終日17:00まで) - 鳩居堂画廊(東京都中央区銀座5-7-4 鳩居堂ビル3階)
【原田弘琴プロフィール】
1963年生まれ
原田清琴に師事
小山やす子(文化功労者)に師事
2011年 「毎日書道展」会員賞受賞
2016年 「国際書道連盟展」特別大賞受賞
2017年 「TOKYO書2017 公募団体の今」に(一財)日本書道美術院より出品
2018年 春光会会長就任
2019年 「全書芸展」代表賞受賞
日展3回入選
【後援】
毎日新聞社・(一財)毎日書道会・全日本書道連盟・(一財)日本書道美術院・かな書道作家協会・全日本書芸文化院・春光会