編集部放談「こう見て欲しい全書芸誌2」

全書芸スタッフ

2020年70周年を迎えるロングセラー月刊書道競書雑誌『全書芸』のバックナンバーから歴史・魅力に迫ってまいりましょう。

全書芸誌をご購読されている皆様、120%全書芸誌を活用できるよう編集部からのメッセージをお届けします。ご一読ください。
全書芸誌の購読歴が40年!!という方は、振り返りに…。
全書芸誌はじめましての方は、70年間基本的なスタイル(誌面構成)は変わっておりませんので、より理解を深めていただけると嬉しいです。


1983年度(昭和58)編集部放談「こう見て欲しい全書芸誌1~4」から。
参加者は、竹石古谿・宇賀寿子・淺沼一道・酒井洋龍・梶田越舟の5名の諸先生方。

前回の「こう見て欲しい全書芸誌1」はこちら

鑑賞ルームの作品

これこそ目習いのページ。
古法に則って自分の書を確立した方々の高い風格と優れた情懐を持つ作品。
書法上からも古法に直結していて習う対象としても充分価値のある古典に匹敵する様な書を取り上げています。
掲載の作品は、世間に未発表のものが大部分で、そのほとんどは、役員・関係者の秘蔵・愛蔵作品を本誌のために拝借し充てています。


過去掲載された人物を挙げてみますと…

漢字では、
副島蒼海・巌谷一六・中林梧竹・渡部沙鷗・日下部鳴鶴・久志本梅荘・近藤雪竹・丹羽海鶴・犬養木堂・川谷尚亭・比田井天来・大野百錬・宮島詠士・田代秋鶴

かなでは、
阪正臣・比田井小琴・尾上柴舟

など、
明治・大正・昭和にかけて日本の書道に大きな影響を与えた人たち。

江戸末期の能書家では、
良寛・貫名菘翁
が数多く紹介されています。


毎年12月に国立新美術館にて開催している『全書芸展』会場内のレッドカーペットエリアでは毎年、上記の近代大家の作品を展示しています。
貴重な保存資料必見です。

鑑賞の目

  • 布置章法:書き出しの調子・字粒の大小・疎密配列上のバランス・字間・行間・天地左右の余白・行数と字数の配分・最終字以下の余白の生かし方
  • 落款:字粒・位置・本文との調和感
  • 雅印:大きさ・位置・詩句・字数

役員習作・参考作品

本院の運営総務・総務がお互いの研究作品を発表し合い、実作の一資料にと、編集部が様々な様式内容を指定して依頼をしています。


図版や解説記事も含めて貴重な書道資料となるので、長く保存して繰り返し活用していただきたいです。


現編集部へのご意見・ご感想、事務局まで。

次回は、編集部放談「こう見て欲しい全書芸誌3」をお届けします。
つづく。