漢字を感じる?

中澤良楽
良心書道会


少し前のことですが、師である山室良峯先生のお手伝いで外国人留学生の書道教室イベントに参加したことがありました。

私が担当した日本語が大好きだという留学生は、「漢字は芸術的だ!artistic!」と言って、数ある体験プログラムの中でもこの書道教室を一番楽しみにしていたとのことでした。少しでも楽しんでもらいたいという先生のアイデアで、色々なお手本の中から書きたい字を各自で選びました。好みというのは人それぞれで、特に重なることもなく全員が思い思いの漢字を迷って見比べながら大盛り上がりで選びました。

以前、テレビで世界の面白いタトゥー(入れ墨)を特集していた時のこと。筋肉ムキムキの外国人が二の腕に「台所」と入れていて、「そうさ~kitchenだということは勿論聞いたよ~形が好きだったんだ~!」と言う吹き替えに大笑いしたのを思い出しました。好みは人それぞれと書きましたが、流石に「台所」の良さはちょっと独特ですね!笑

そう言えば、「大吉」を選んだ生徒さんが「ラッキースマイル(^□^)!」と言って喜んでいました。世界共通でこの形「口」を見ると笑っているクチに感じるのは間違いなさそうです。

「天」を課題に選んだ私の生徒さんは「シンプルで美しい!beautiful!」と言いました。当たり前すぎる「天」の形についてあまりにも単純過ぎるために考えたこともなかった私は、言われてみれば確かに左右に曲線が伸びて何だか魅力的な形だなぁと初めて思いました。折角いつも使っている漢字なのですから、純粋にその形だけを感じることも良いですね!

昨年11月のブログ「飾っていますか?」では、私が「威風」という字をふっくらと書いた話をさせて頂きました。この字ならこんな感じで!あの字ならあんな風に!と思うのは、この体験から学んだ絵的な感覚からくるものなのでしょうか。

漢字を感じる“ことができるようになると、もっともっと書の世界が奥深いものになっていきそうですね!

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