コンクール作品や宿題の仕上げ方
中澤良楽
(良心書道会)
こんにちは!今回は全国書道コンクールや夏休みの宿題など、提出前に是非試してみて欲しい仕上げ方をご紹介します。
書道作品というのは繊細で、形が整っているだけでは魅力のある作品にはなりません。私は断然のびのび書くことを優先した方が良いと思っています。
以前こんな事がありました。生徒が「すんだ空」と書いたのですが、本当にのびやかで素晴らしいものでした。欲が出た私は、「空」、名前、バランス等に少し助言をしてもう少し書かせてみました。ですが不思議なもので、いくらその点が直っても最初の作品以上に魅力を感じる作品にはなりませんでした。
その作品がこちらです。しっかりとポイントを理解した上で迷いなく「す」を書き、そのままの流れで「ん」を書いているので最後のはらいまで勢いがあります。そして「た」の二画目、力強さがラインに表現されています。「こ」につながりがあるのは、気持ちがつながっているからですね。
(この作品は優秀賞第二席に選んでいただくことができました。)
この経験から私が学んだのは、魅力ある作品にするためには、その時点で本人が理解している範囲でのびのび書くのが一番だという事です。考えながらでは筆のスピードに追い付かないですし、気持ちが途切れるからです。
指導者がもう少しだけ何かしてあげるとしたら!そこで思いついたのがこの方法です。
- 100均で売っているような半紙が入るラッピング袋と赤ペンを準備します。
- まずは十分に指導を重ねて、その子精一杯の作品を作ります。
- それを透明袋に入れて、その子がその時点で直せそうなポイントを赤ペンで分かり易く書き込んであげるのです。
本来はきれいに取っておきたい清書なのですが、この方法だと分かり易く書き込んであげることができます。しかも自分の作品なので興味を持ちます。重要なのは、本人がそこを直したいと思うかどうかです。書き直してみたいと言った場合には是非もう一度書かせてみて下さい。うまくいったり前の方が良かったり結果は様々ですが、なかなか思った通りにいかないところもまた書道の面白さですね。(^▽^)