淺沼一道先生の思い出-その2 天国からの“指示書”=「弛まず研究せよ!」
全書芸誌12月号が届きました。月例古碑法帖研究は禮器碑。
手持ちの法帖数冊を見ながら、ふと「そう言えば・・・・」と思い出したことがありました。
今から25年ほど前のことです。北海道十勝の芽室町川北温泉というところで毎年3月に淺沼先生にお越しいただき2日間の講習会が開かれていました。
その講習会で淺沼先生が禮器碑の折帖を書かれたことを思いだしたのです。
と同時に、当時の資料があるかもしれないと思い書棚を探し始めました。
しばらくして講習会数回分の資料が見つかり、その中に禮器碑の觧字資料がありました。
平成9年・第8回勝遊書道会のものです。
見た瞬間、
ドキッ!
としました。
こんなに素晴らしい資料があるなんて・・・
時間のたつのも忘れて食い入るように見ていました。
講習会で渡された資料は往々にしてファイルか封筒に保管してしまい、はるか彼方に忘れ去られてしまうこと皆さんもありませんか?
普段使う法帖にこの觧字資料が挟み込まれていなかったということは、間違いなく私にはこの傾向があるということです(笑)
恥ずかしながら、初めてそれを見るかのようで新鮮でなりません。
そしてその詳細さの価値は今だから判るような気がしたのです。
何故か?
淺沼先生の觧字を見直して、いくつもの自分の誤りを発見したからです。
思い込み、不用意、横着、
そんな普段の自分の姿に気付かせてくれました。
改めて、字典をひき、いくつかの解説を調べ、数冊の法帖を見比べました。
一つに限らない書き方がある場合、自分ではどれを選択するのか?
久しぶりに、書くことよりも調べることに楽しさを覚えました。
そして、自分で調べたものはよく頭に入る😊
一段落して、全書芸誌のページを繰ると
あっ!これもだ
と気づきました。
今年から始まっている「古典を深める」のコーナー。
蘭亭序から始まり現在十七帖を古谷春峰先生が解説されています。
私は毎号この紙面を切り抜き、案の定ファイルに入れしまい込んでいました。
無意識のうちに淺沼先生の資料と同じことをしていたのです。
早速、全てファイルから抜き出し普段使いの法帖に挟み込んだのは言うまでもありません ^_^;
こんな素晴らしい資料を手に入れられる。
やはり全書芸会員の特典でしょう👍
(注)
文中の「かいじ」は『解字』と『觧字』がありますが、敢えて淺沼先生が使われている『觧字』を使用しています。