『ちいさなちいさな書の世界』②
総務 小林桃筌
東京ソラマチ9階の『郵政博物館』では、大変貴重な切手が展示されていました。
少年時代 切手収集が趣味だった主人のコレクションのなかに、展示品と同じ切手がいくつもありました。
『忠孝』 大日本帝国郵便 教育勅語渙發五拾年記念 昭和十五年 四銭
〈忠孝 大日本帝国郵便 教育勅語渙發(かんぱつ)五拾年記念〉の部分は、やはり篆書体です。中央に大きく篆書体で書かれている切手は、ほとんど見かけませんでしたので、珍しいと思って紹介しました。
『渙發』とは、盛んに発する、勅令を布く、四方に発布すること、という意味があるそうです。『大漢和辞典』と白川静著『字通』で調べてみました。
ちなみに 主人の名は「忠」、昨年 お亡くなりになった渡部半溟先生の名が「孝」です。以前、比田井天来先生の「忠孝」と書かれた作品を見たことも思い出されました。