十勝・帯広 翠邦浴 vol.8 北海道芽室高等学校「切磋琢磨」~新たなる年に向けて~
今年も残すところあとわずかとなりました。
コロナ禍の中、感染拡大第5波では医療現場のひっ迫を目の当たりにし様々な危機を身近に感じました。一方で、そんな鬱屈とした日々の中でも東京オリンピック・パラリンピックが私たちに多くの感動を与えてくれた年でもありました。先日、1年を締めくくる大イベント『全書芸展』の様子を様々な方が連日SNSに投稿され、無事盛会裏に終了されたことが伝わってきました。でもやはり自分の作品はこの目で確認したかった・・・。来年こそは!
さて、私の今年最後の投稿は桑原翠邦先生が書かれた北海道芽室高等学校(以下、芽室高校)にある校訓、「切磋琢磨」のご紹介です。皆さんは芽室町と言ってもピンとこないかもしれませんが、「ゲートボール発祥の地」と言えば一気に身近に感じられるのではないでしょうか?
芽室高校は昭和24年に北海道清水高等学校の分校から独立校となり、令和元年に開校70周年を迎えました。この学校の校庭に「切磋琢磨」と書かれた記念碑があります。
初代松井喜太郎校長は、「学舎に集う若人が、互いに励ましあい、学業に専念することによって、人格を練り磨く」という思いを「切磋琢磨」の四字に込め校訓とされました。学校の記録に、翠邦先生がこの言葉を揮毫され扁額に仕立てられたものを昭和49年7月13日に寄贈されたとあります。平成27年3月に仕立て直しされたものが現在校長室にあります。
昭和60年7月に定時制課程の閉課・新校舎落成記念事業の一環として協賛会がこの作品を基に記念碑を建立し学校に寄付しました。高さ280cm、幅180cm岩肌そのままのどっしりとした自然石にはめ込まれた縦160cm、横55cmの黒御影石に「切磋琢磨」は刻されています。
碑の正面に立ち翠邦先生の力強く躍動したその書に向き合った時、松井校長の掲げた精神を体現するかのごとき「気」を感じます。
そして、この作品の言葉「切磋琢磨」を私は新たな年の志としたいと思っています。
焦らず、地道に。 では皆さん、良いお年をお迎えください😊
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