書が楽しくなる雑誌『墨』書童っこくらぶ第5回に掲載された【全書芸学生版】

全書芸スタッフ

ご覧になっていただけましたでしょうか?
芸術新聞社が発行する2022年4月30日発売の書道専門誌『墨』276号(2022年5・6月号)【全書芸学生版】が紹介されました。

いつも全書芸で勉強しているyoー!という学生のみなさん、保護者のみなさまもぜひお手にとっていただけると嬉しいです。お住まいの地域の図書館でも取り扱っているところが多い書道雑誌です。

墨276号2022年5月6月号芸術新聞社「書童っこくらぶ」全書芸学生版



紹介されたのは、全国の各書道団体が発行する競書雑誌の学生版に焦点を当てた「書童っこくらぶ」というコーナーです。これは珍しい企画ですねっ。



今回、改めて全書芸の学生版と向き合うことができました。

日頃、書道教室で全書芸誌を活用してくださっている支部長、学校での書写教育に携わる先生方、長年全書芸誌を購読・手本執筆・審査と競書雑誌の発行に協力してくださっている役員にもアンケートをとり、様々な視点で回答いただいたものが掲載されています。
今回は、全書芸学生版の魅力を誌面では紹介しきれなかった部分も紹介したいと思います。

競書誌の創刊年

  • 1950年(昭和25年)月刊書道競書雑誌『書宗』創刊。1972年(昭和47年)『全書芸』に改題し現在に至る
  • 初代会長 桑原翠邦(元東宮御所書道御進講)
  • 現代表 目良丹崖
  • 2020年に創立70周年を迎えた

学生部の対象年齢と段級の仕組み

  • 対象…幼児~中学生
  • 部門
    毛筆部:10級~十段(幼児~中学生)
    硬筆部
    幼児~小学生:書き方 10級~十段
    中学生:ペン字 10級~十段
    *鉛筆による書き方とペンは異なるものとして中学生に進級する際には新規から開始となる
  • 年に2回(6月・11月)昇段級試験実施…飛び級あり

全書芸認定教場からのコメント

  • 学生部の十段があるのは全書芸の大きな特長だよね。
  • 十段合格者が学生版紙面で写真や作文掲載されているのを見て「私もこれを目指したい!」と俄然やる気が出てきた子どもたち。


手本(内容・執筆者)の注意点や心がけていること

  • 流派書道ではなく、公教育に準拠した内容」であることを意識した手本執筆に注意している。各書道教室の指導者が競書誌から手本のポイントとなるところを読み取り、生徒へ伝えられるよう学習指導要領を基本としている。
  • 学生部手本の内容は、学年に相応しい語句、学年によって漢字の数等を決めている。
  • 字形については、書写書道教育を踏まえた「手本揮毫手引き」を独自に作成。執筆者や編集者が変わっても長年一貫し基本的な考え方を共有するようになっている。
  • 編集者は、中学校・高校・大学での書道教員・書塾経営者を中心に輪番制で担当している。
  • 執筆者は、長年研鑽を積んだ役員で、全国の教室現場で実際に子どもを教えている指導者を中心に年間約80名が交代制で手本の執筆にあたっている。

全書芸認定教場からのコメント

  • 小中学生の「書写」から高校の「芸術書道」への橋渡しとして、【書のあれこれ】*1【文字のすがた】*2【臨書教室】*3のコーナーが人気!!
  • 早い時期から古典や古筆に親しむ機会を取り入れ重視しているよね。
  • 義務教育の内容に、少し背伸びをした発展的な内容を盛り込んで、月例競書での学びを年1回の全国書道コンクール出品にも活かせるよう配慮している点が大きな特徴だよね。
  • 全書芸学生版の3大ポイント!!
    ①学年に合った課題で学べる
    ②楽しみながら古典・古筆への理解が深まる
    ③中学ペンは、横書きでの楷書・行書も学べる



    *1 書のあれこれ…書の歴史、人物などをわかりやすく物語風に紹介。みんなで音読して、クイズを出しっこしているよ~。というお教室もあり!

    *2 文字のすがた…一つの漢字につき古碑法帖の中より篆書~楷書まで五書体を抽出したものから、好きな書体をひとつ選んで半紙作品にて出品できる部門

    *3 臨書教室…中学生は漢字・かなとも部分的に有名な古典・古筆を臨書して、半紙作品として出品できるコーナー


審査方法と評価ポイント、注意点

  • 学生部の月例審査員は、毎月、本院役員10名が交代制で担当。
  • 偏りがないように丁寧、公平な審査を行っている。
  • 子どもらしい伸びやかさや、努力のあとが見える作品に、より評価の重きを置いている。
  • 始筆・終筆など運筆の正確さ、基本的筆遣いと、字形、筆勢、筆力、配置など多くの視点から優秀作品を選出。臨書では、古筆の特徴が出ているかどうか。硬筆では、全体感について文字の大きさ、丁寧さと流れを大切に書けているか否か、筆圧のかけぬきを重要視している。

全書芸認定教場からのコメント

  • 「全書芸」って写真版の優秀作品のバリエーションが幅広いよね。九成宮のように整然と整った字も、大らかにのびやかに書いた勢いのある字も同列に評価されている!
  • 流派にとらわれず、作品の良いところを評価して伸ばしていく方針は、時代の流れにも沿っているね。
  • 年2回の昇段級試験では、毎月の競書や行事(全国書道コンクール・書初作品大会)の成績など、継続的な努力の積み重ねを高く評価する土壌が全書芸にはあるよね。


ホームページ・SNS・ブログ・You Tubeなどの会員の反応は?

  • ホームページや全書芸メンバーBLOG、You Tube、ツイッター・フェイスブック・インスタグラムなどのSNSを積極的に利用して全書芸の今!を発信
  • 雲の上の役員の先生方を少しでも身近に感じてもらえることが狙い☝

全書芸会員からのコメント

  • 地域・年齢を問わず会員同士の交流を深め、楽しみを増やす一助に。
  • コロナ禍の状況や仕事の関係で、式典等の行事にもなかなか出席できない地方の会員さんにも、タイムリーな投稿によって臨場感が得られる!と好評
  • 全日本書芸文化院の書初めの動画は、何度も見た。紙面では分かり難い細かい筆遣い、緩急のリズムや流れが理解しやすい。学書の助けになる!熱心な会員さんに歓迎
  • 2020年のうちわ企画は、コロナ禍でなんでも我慢の時に、楽しい思いが出来た。
  • 全書芸メンバーBLOGは、指導者同士の情報交換にも繋がり、互いに良い刺激になっているね。
  • 全書芸では、「年賀状WEB書道展2022」のように、子供たちが、習った字を実際使える場を提案している!
    ただ習っているから何となく書いていただけの子供に、生活の中で実際上手に字が書けるようになっていることを気づかせてあげられる、素晴らしい企画だった。


子どもたちの興味を惹きつける誌面の工夫と子どもたちへのメッセージ

  • 【書のあれこれ】【文字のすがた】【臨書教室】のコーナーのように早い時期から古典や古筆に親しむ機会を作っているのが特徴
  • 心に届く文章表現にも努めている
  • 課題語句や巻頭の文章など、やや「昭和」な印象を受けるかもしれないが、子どもたちの心のありようを大切にしている

指導者の先生たちからのコメント

  • とにかく楽しく書道を続けてほしいな。いいお手本とその見方がわかれば、高学年になるにつれて上達していける!
  • 世界中の人と一緒に活動することが増える中で、毛筆で書すること、書初めなど日本文化を体現したことのある経験が心の財産に。他の国や地域の文化の理解に役立つ未来にも繋がるね。
  • 勉強や部活、受験などで忙しくなってきたときには、学びやすい形を先生と相談してみて。もし、筆を置くことがあっても、大人になって時間に余裕ができた時にはまた再開してくれたら嬉しいな。


『墨』編集部のみなさまにお世話になり、貴重な機会をいただきました。誠にありがとうございました。
これからも全書芸で学ぶ学生さんに向けて編集委員と協力して魅力ある雑誌づくりに取り組んでまいります。

全書芸は、様々な団体出身者が在籍している珍しい書道団体。多種多様な書風が普遍的で、執筆者それぞれの長所を生かした手本となっていることが長い歴史と全国に広がる購読者に繋がっています。


全書芸誌、全国書道コンクール、全書芸展、書初作品大会を通して全国の書道を愛する皆さんの作品を広く公開して明るい未来に!
これからも「今だからできること」を企画し発信する姿勢の全書芸を応援していただけたら嬉しいです。

ご購読者の皆様が継続して楽しく書道に取り組めるよう全書芸を育ててまいりますので引き続きご支援をよろしくお願いいたします。


見本誌もご覧いただけます↓↓

全書芸2022年2月号