十勝・帯広 翠邦浴 vol.10 帯広市立明星小学校所蔵作品
前回のブログ投稿が昨年9月でしたので、4ヶ月も経ってしまいました。
毎年9月から12月くらいまでは忙しいですよね(^_^;
さて、先に御案内しましたとおり今回も学校シリーズ。
帯広市立明星(めいせい)小学校にある作品をご紹介します。
作品を拝見に伺ったのは令和3年の1月ですから丁度2年前。
ご案内下さったのは、その年の3月に退職された杉山校長です。
翠邦先生のお話をすると校長のお父様が書を嗜まれており、そんなことから翠邦先生のお名前はご存じで、少なからぬご縁を感じました。
明星小学校は昭和10年4月に開校。
昭和11年9月29日の昭和天皇帯広行幸の折には、行在所(あんざいしょ)ともなった歴史ある学校です。校舎の一室には当時の縁の品々が保管されています。
この学校の体育館に全紙扁額「大志」があります。
翠邦先生が子供達に送った言葉とその堂々とした風格の書が長い間子供達を見守ってきたのだなぁ、と感じました。
「大志」を拝見した後、杉山校長が職員室へ案内して下さる途中で私は突然「あっ!」と声が出ました。廊下に掛けられていた作品が目に飛び込んできたのです。
「研學鍊身」
一瞬にしてその空間の空気が澄んできます。
作品も額も日に焼け実際に書かれた年数以上の古さを感じました。
印も判読できないくらいでしたが、落款に「丁亥秋日」とありますので昭和22年、翠邦先生42歳の作品です。
作品は旧校舎の校長室に掛けられていたそうです。
この年、明星国民学校から帯広市立明星小学校に改称されました。この節目に翠邦先生が選ばれた言葉、書かれた書風。正面切ったこの作品は、見る者に居住まいを正させる、そんな「気」が迫ってきます。「大志」が子供達への言葉ならば、「研學鍊身」は正に子供達を育てる教員に向けた言葉であったと思います。
別れ際、杉山校長に翠邦先生を紹介する資料をお渡しすると、先生は「子供達がまた一つ大きな誇りを持つことが出来た」と大変喜ばれていました。後日、先生は子供達に翠邦先生のことを伝えて下さったとのこと。
私もまた大変嬉しい気持ちで一杯になりました。
※今までご案内した作品の所在地はこちらのマップで確認できます。