『紫陽花の”書”・道』展
雨がシトシト降る中、静かに肩を寄せ合い、健気に咲く紫陽花…
そっと傘をさしてあげたくなります。
そして、この季節に、『第3回十勝書藝展』は開催されました。
今回、3回目を迎える十勝書藝展は、「特別展」として、『紫陽花の”書”・道』展、桑原翠邦顕彰展 真鍋庭園所蔵作品を企画テーマとし、私は、『紫陽花の花……』を、担当させていただきました。
どんよりとした梅雨時の空の下でも、明るい色で景色を彩ってくれる紫陽花は、逆境に強い花でもあるようです。
遠目に見ると、無数の花が沢山集まっていて、芸術作品を見ているかのように、引き込まれる美しさを持っています。
また、その情景は、家族のだんらんの意味を持つと言われています。
そこで、テーマに添って、雨に濡れる紫陽花を、無数の傘が包み込む情景。
家族、友人、仲間を大切にしともに助け合う姿。
雨の日も、互いに気遣い、心に寄り添い、そっと傘を傾けあい、長い道のりを一歩ずつ歩んで行く、その想いを紫陽花と傘に込めました。
正面入口に10メートルの壁が有り、その壁に大、中、小の傘を配し、中央に斜めの道を施し、道に沿って無数の紫陽花を咲かせる。
大傘は、直径160センチ!織り込むのには、3人がかりでもやっとの作業でした。
折り目の付いた書き辛い傘に文字を書き込み、更に立体的な傘に作り上げていく。
何度も失敗を重ねて、、、、、漸く、完成!!
いざ、会場に飾る際は、紙の重みでいびつな傘となり、何度も手直ししながら、一番時間のかかる作業となりました。
子供達の小さな傘も、丁寧に折られ、思い思いの好きな言葉を書いてもらいました。
それを、テグスの糸で吊るし、小さなアンブレラスカイの世界を創りました。
紫陽花の葉には葉脈の如く折り目を付け、これにも、子供達に得意な文字を書いてもらいました。
紫陽花の花は、花びらが多いほど、本物に近づいてくることがわかり、花びらの追加製作をする事になりました。
急遽、連絡したにも関わらず、遠方から来てくれた方、子供さんの送迎の合間に、また夕方の仕事帰りに、立ち寄り花びら作りに協力してくれた皆さん、実行委員ではないのに、快く引き受けて作業をしてもらい、本当に助かりました。
気が付けば、展覧会会場には、
傘の数100本!
紫陽花の花びら1000枚!
全て、会員、保護者、実行委員の手作りに依り製作されました。
傘の折り目に書いた文字、花びらの一枚一枚を、ご来場下さった方々へ優しく温もりの有るメッセージとして、お届け出来たなら実行委員一同、大変嬉しく思います。
そして、今回の展覧会に、オープン初日、東京より駆けつけて下さいました岩本社長ご家族を始め、駐車場の不便な状況の中、会場にお越し下さいました皆様、作業にご協力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
誠にありがとうございました。