第68回書宗院展~古典臨書を競う~
毎年恒例の書宗院展。
上京するのは愉みではありますがこの時期の東京、特に上野駅から会場の東京都美術館までの移動はいつもうだるような暑さの記憶しかなく、今年も初日の7月27日はその記憶を厚く上書きする結果となりました。(^^;
今展は回を重ねること68回展です。
私の会員歴は30年余りですからその半分にも及びません。
書宗院展はご存じの方も多いと思いますが、規格は半切、軸装、そして臨書作品で統一された公募展です。
この規格の中で日ごろの成果をお互いに競い合うというのは他の公募展にはあまり見られないと思います。
ここ数年は大学生、高校生の出品が増え、昨今のブームとして取り上げられるパフォーマンス書道とは対照的に個々の学生が真摯に古典に向きあった作品が会場の雰囲気を落ち着かせている印象です。
またお隣台湾からの出品も安定した出品数となり、漢字の本場の方が古典をどのように解釈し作品にしているか毎年興味深く鑑賞しています。
全書芸の役員の先生方も出品されていますのでここでいくつかご紹介します。
書宗院展に行く楽しみの一つに特別展示があります。
今回は「近代書道名家展」。
楊守敬、日下部鳴鶴、副島蒼海、中林梧竹、松田南溟、鈴木翠軒、比田井天来、比田井小琴、阪正臣、山本竟山、若林快雪、久志本梅荘、渡邊沙鴎、近藤雪竹、丹羽海鶴、巌谷一六、松田雪柯、貫名菘翁、大口周魚と名聞いただけでもワクワク。
そして実際に目にすることができるのですから、北海道から来る価値は十分すぎるほどあります。
こういった時は北海道の涼しさよりも不便さを恨めしく思います。
そして会場で沢山の方とお会いし近況を確かめ合い、お元気な様子に安心し、会話が弾むというのもまた書展に伺う大きな楽しみです。
外は猛暑。
会場に自然と長居をすることにもなりました。
第68回書宗院展
- 2024/7/27(土)-8/3(土)9:30-17:30
*7/29(月)休み
*入場は30分前まで・最終日15:00まで - 東京・東京都美術館 1階・第4展示室(台東区上野公園8-36)
- 本院初代会長 桑原翠邦先生創立の書展
- 本院役員・会員多数出品
- 特別展示:近代書道名家展