お正月
ペンネーム悪筆子
コロナの残した爪痕は深く、お正月も近隣は帰省家族の声もなくひっそりしている。
猛威インフルエンザは必ず家族全員にうつるようでもなく、後遺症もあまり聞かず、コロナの恐ろしさを改めて思い出す。
老舗ケーキ屋の閉店は昨年の衝撃的な出来事だったがお隣の鰻屋の方は健在である。それでも以前のように裕福な鰻屋待ち、帰りの客が減ったと鰻屋近所の洋服屋さんがこぼしていた、この頃である。
寂しいくらい静かな正月、突然、あっと思いついた。安政と裏に書かれた鰻屋の四角いマッチ箱の文字(2023-08-15近況報告その2)は型紙作家芹沢銈介の文字ではないかと謎が突然解けた気持ちになった。もっともマッチ箱はとうの昔に店から姿を消して幻の存在であろうが。
暮れに買った二万円の羊毛筆(2024-12-27筆)との奮闘はまだまだ続き、不相応なものを買ってしまったと思ったりもする。その柔らかさにかなり太い文字は書けるとわかる以外使いこなせないが、いい筆のせいかなんとか使えるようにやってみようと諦められず、それ以上にいつも筆に墨が残り洗い方がわからないのが気になり年が明けて間もない店に聞きに行ってみた。
お正月はゾロゾロ大変な初詣の人でしたよという言葉のあと、二万円のあの筆は半紙から太字までなんでも書けます、筆はお水が透明になるまでひたすらずっとコップにつけておいて吊るすと墨が残りませんと、究極の極意を伝えてくれた。